こんばんは、酔いどれ麻酔科医です。
いきなりですが、まずはこちらのリンク先の記事をお読みください。
どう思われましたか?僕が思う全てがこの記事に込められています。
と言っては若干言い過ぎですが、これは核心をついていると感じます。
実はこのブログを始めるきっかけとして僕が自己紹介の記事で述べたことでもあるのですが、様々な立場の人がポジショントークをするお陰で、何が正しいのか、何を信じたら良いのか視聴者は惑わされていると思っています。
今回の一連のコロナ禍は、明らかに国難です。
その国難に対して、本来であれば国が一丸となって立ち向かわなければならないのではないでしょうか?
でも、一丸とは何なのでしょう?と言われるかもしれません。ここからはコロナチームとして働くいち麻酔科医、いち臨床医としての意見です。
まず、舵取りすべき安倍総理を始めとした内閣、与党は今はとにかく全力でこのコロナ対策のことだけを考えて欲しい。なぜドサクサに紛れて他の法案を通そうとするのでしょうか。検察官の定年?今、それを行う必要がありますか?それとも、どうしても今行わなければならないことですか?コロナ対策より大切なことですか?
とにかく、総理が事あるごとに仰っている「スピード感を持って」コロナ対策に当たってもらえないでしょうか。「アベノマスク」一つとっても、未だに国民全体はおろか、辛うじて東京都民(ではなかった、東京にある家庭)に届けただけですか?
そして、マスコミに願う事。それは、国民を混乱させる様な報道は本当に控えて欲しいという事です。
PCRの記事で述べましたが、テレビやネットニュースなどを見ていると、本当にどれもこれもが「PCRの数が足りない」「国は感染者数を全然把握出来ていない」といった論調のものばかり。先日初めて、「スッキリ」で「日本の医療は世界とは違うのでは?」という内容の報道を見て心の底からまさにスッキリしました。
感染対策に関しても色々思うことがあります。岩田先生や西浦先生、尾身先生よりコロナ感染に詳しい人が今この日本にどれだけいますか?その方々に対してなぜコメンテーターとして「エセ専門家」があれこれケチをつけられるのですか?
というか、まだケチをつけるだけなら分かります。議論とは、まず今ある意見を吟味することから始まるわけですから。
でも今のマスコミを見ていると、この専門家の先生方の意見を叩き台として・・・というものですらなく、どこぞの医師でもない「似非専門家」が自らの意見をまるでこれこそが正しい意見かの様に話し、更に芸能人コメンテーターの皆さんがそれに追従する・・・それが「正しい」意見なのでしょうか。
僕ら医師、というより、基本的に日本の医療は全て「EBM」です。
「EBM]とは「Evidence-Based Medicine」の略なのですが、要はきちんとした医学的根拠(主に前向き研究や大規模研究に基づいた科学的根拠)に基づいた医療を行なっています。
世界の医療は日進月歩です。全世界がコロナ禍に見舞われて以来、毎日の様に様々な研究・臨床結果の検討が急速なスピードで行われ、様々な論文に投稿され、それを基に医療が行われ、またその結果を基に更に考察・研究が行われる・・・という流れでコロナに立ち向かっています。
その中で日本は世界の中ではやや独自戦略をとっていて、それは以前の記事で述べましたが「CT検査が世界でも屈指の軽さで行える」ということです。それは国民皆保険制の賜物ですが、CTと丁寧な問診からコロナ感染を疑い、それを確定するためにPCRを行うというのが日本の基本的な姿勢です。
勿論、現場の医師が必要性を感じた際にはすぐPCR検査を施行できる様に体制を整える、それは当然すべきことですが「PCRありき」の医療とは別路線であることは前に述べました。
じゃあ実際、それで日本は崩壊していますか?コロナ感染による死亡者数、重傷者数は世界各国と比較してどうですか?引けを取っていないどころか、類を見ないほど抑え込めていますよね?
その事実を無視して、今の医療体制を批判する記事の多いこと・・・そうしたコラムもありますよね。そしてその著者を見ると、なぜか医療者ですらない人であることばかり。
これってどうなのでしょう?皆が完全に同じ方向を向く必要はありません。というか、皆が同じ方向を向く様な事態は危険です(それについてはいつか)でも、こうしたコラムを書いたり、あるいは今のコロナ対策が間違っているという報道をするメディアの方に言いたい。
あなた方は僕ら医師が参考にしている専門家の先生方と同じくらい、このコロナウイルスに関して詳しいですか?勉強されていますか?それをしなければ同じ土俵に立てる訳がありません。
せめて僕と同じ程度には勉強してください。話はそれからです。
同等に勉強し、同等に知識を持っている人が意見を戦わせて議論するから成り立つんです。
最初から反対ありき、批判ありきな報道は本当に辞めて欲しいです。社会への影響力を考え、本当に国のことを考えた報道をして欲しいです。視聴率や閲覧数を求めての報道は辞めて欲しいです。
そして、わざわざ僕のブログを読んでくださっている皆さんはリテラシーが高いのでそんなことはないと思うのですが、僕を含めた国民はきちんとその報道の真偽を見極めなければならないと感じています。
どうか偏向報道に惑わされないで下さい。報道=真実ではありません。疑問を感じる目を持って下さい。
大分熱くなってしまいました。頭を冷やして、明日の医療に立ち向かおうと思います。
では。
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