これからの外食産業の在り方 〜3密を避ける〜

こんばんは、酔いどれ麻酔科医です。

すみません、週末当直でバタバタしていて、少し空いてしまいました。

ブログを始めてから1週間ほど、まずとにかく皆さんに知って頂きたい「新型コロナウイルス感染症の現在」についてお話してました。現状であったり、PCR検査のこと、治療薬のこと、そしてワクチンのこと。

ただ、実は正直なところ、勿論医療の今を知って出来れば理解してもらえたら、という気持ちはありますが、それ以上にやはり皆さんにどうやって感染を避けるか、それを知って実践してもらいたいというのが本音。

ですからマスクの正しい付け方や注意点、そして家庭内における感染リスクとその避け方についてお話したわけです。

さて、今日は大好きなご飯屋さんが今、本当に困っていて。僕としてもどうしたら少しでも力になれるか考えているところです。多くのお店でテイクアウトやデリバリーを始めましたが、やはりお客さんの単価が違うし、正直なところ、お弁当とお店で食べるのとではクオリティーもまるで違います。

リモートワーク出来る業界でも勿論ありませんから、このままでは外食産業の火が消えてしまうのではないか、と本当に心配しています。

ですが、一方で緊急事態宣言の有無に関わらず、前にもお話しましたが感染症がなくなることは絶対ないので今後はどう感染と付き合っていきながらお店をやっていくか、ということを真剣に考えなければならないと思います。

そこで改めて外食の際にどうしたら良いか、店側も客側もどのように気をつけることで感染を回避しながら美味しいご飯を楽しむことができるか、ということを真剣に考えてみようと思います。

もう、幾度となくお話してきて、耳タコかもしれませんが、新型コロナウイルス・・・というより、感染症全般のお話としての大前提は「接触感染、飛沫感染を避ける」です。空気感染に関してはこれは病院の陰圧個室で隔離をしなければなりませんから、横に置いておきます(しかも一般人が対応できるものでもありませんので)

まず可能なら換気はしっかり行いましょう。ただ春や秋など気候の良い時期はともかく、これからやって来る夏、そして冬は困難な状況に陥るかもしれませんね・・・

それから店側の人達は今後は必ずマスクをした方が良いのかもしれません。今回皆さんが理解されたと思いますが、人が喋るとどうしても飛沫が飛びます。およそ3-4m。やはりマスクを着用しないと飛沫感染予防は難しいのかもしれません・・・

そして店の前にアルコールスプレー、ジェルなど、要は手指消毒薬を設置し、お客さんには入店前に必ず手指消毒をしてもらうと良いでしょう。店に行く交通機関が何であれ、自宅で手洗いしてからお店に着くまでに手が汚染されていないことはありえないからです。

そしてもし可能なら、お客さんに新品のマスクを渡して着用してもらいましょう
これは勿論、客側からの飛沫感染を防ぐためです。
料理を食べる時はマスクをずらし、料理を口に運んだらマスクをあげる、そこを徹底してもらいます。

これをすることのメリットは2点。1つめは勿論、飛沫感染予防につながるということです。人が話せば飛沫感染のリスクになる、それを防ぐには何かで口を覆うしかないですし、マスクが一番リーズナブルでしょう。

そして2点めになりますが、それが出来れば以前お話した「横並び、または対角線で座って食事をする。出来るだけ真正面に座って食事をしない」ということをせずに済むでしょう。

真正面に座って食事をすべきではない、というのはあくまでも真正面で会話をすれば飛沫感染の危険性が増加するからなので。

新品のマスクを着用してもらう、というのはこのためです。

これも以前マスクのお話をした際にも説明しましたが、基本的にマスクの表側は汚染されます。だからこそ、そこを触ってしまうと手指が汚染されて接触感染のリスクとなります。

でも、店の入り口で手指消毒をしてもらい、新品のマスクを着用することによってマスクの表面の汚染を防ぎ、マスクを触っても手指が汚染する危険性をかなり減少させることが出来ると考えます。

後は店の皆さんは料理を提供する、皿を下げる際に必ず手指消毒をする。それによって、接触感染の危険性を最小限に抑える。

と、ここまで書いて思うことは・・・これを実際に完遂出来れば確かに感染リスクを限りなく減らせると思いますが、これを完遂したらお店の雰囲気はどうなるんだろうということです。こればかりはやってみないとわからない部分もありますし、客側が協力してくれない、などあるかもしれません。

でも、個人的にはまず店を開けて通常営業に少しでも戻すことが最優先だと思いますし、違和感は往々にして慣れるまでの問題なのかなーとも思います。

今日の話はここまで。この状況が終息したとしても、今後、感染と共生して行く、そうした意識で生活しなければならない世の中になるのではないかと考えています。

今から身近な危険と向き合って、少しずつでも対策を練らなければならないのではないでしょうか。

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