こんばんは。酔いどれ麻酔科医です。
緊急事態宣言の延長が決まりましたね。そうなると家にいる時間も変わらず長くなりますね・・・皆さん、かなりストレスは溜まっていませんか?
さて、昨日は3密を避けていても日常生活に潜むコロナウイルス感染の危険性についてお話しました。今日は、外出自粛する中で問題となっている家庭内感染についてお話したいと思います。
キーワードは、「濃厚接触」です。
改めて、家庭内のどの様なところにウイルスが潜んでいるでしょうか。
まずは玄関ドアのドアノブ。外出先から帰宅して必ず触らなければならない部分です。もし可能なら、帰宅した際は内側には触らず、まずは手を洗いましょう。その後に鍵を閉める事で、多少ウイルスの付着を防ぐことが出来るかもしれません。
でも、洗面所のドアを閉めていたらどうするの?という声があがるかもしれません。そうなんです。外出する際は、各部屋のドアは可能ならば全て開けておきましょう。雨天の際は仕方ありませんが、晴天なら防犯上許されるようなら窓を開けると尚良いと思います。
これをすることでしっかり換気することが可能です。
現在、僕らコロナ病棟では感染した患者さんがいる区域を全体的に陰圧にしています。どういうことかというと、その区域を陰圧にして、その区域の空気を外に出さないようにしているということです。
家庭ではこの様な大掛かりな対策は当然出来ません。せいぜい換気扇を回すくらいでしょうか。でも、まずはしっかり家庭内の空気全体を新鮮に保つことが大切です。
また、現状日本では(特に東京では)コロナ感染が疑われた患者さん全員にPCR検査を行うという事はしていません。そのことに関してはまた別の機会にお話させて頂きますが、基本的に呼吸苦のない、つまり酸素投与が必要ないと判断された患者さんはたとえ発熱があっても自宅静養を指示されてしまう場合が少なくありません(そこに関して、きっと皆さん非常に不安に感じたり医療に対して不満を持ったりされるかと思いますが・・・それに関してもまた後日)
ご家庭で、ご自身だったりご家族が咳や発熱、その他コロナ感染を疑う様な症状の方が出るかもしれません。そもそも多くの壮年以下の健常者が感染しても80%は無症状だったりごく軽度の症状なので、気付かない間に周りで感染している家族がいる可能性も否定出来ません。
勿論、感染濃厚な場合はまず受診ではなく、今は近くのかかりつけ医だったり信頼できる李医療関係者が身近にいれば相談してください。信頼していただけるかどうかは別にして、僕に相談してくださっても勿論OKです。
ちょっと脱線しましたが、症状が明らかな場合を除くと正直素人目には家族が感染しているかどうかわからない場合が多いかと思います。
・・・ごめんなさい、脅かし過ぎました。結局、家庭で出来ることをしっかりやりましょうということです。
最初に言及した「濃厚接触」ですが、家庭では容易にこの濃厚接触が起こり得ます。普通に過ごしていて、家族同士の距離を最低2m以上保つ事は可能ですか?恐らく不可能だと思います。まして会話すれば飛沫も発生しますから、もっと距離を空けなければならないとなると、いよいよ無理ですよね。
それでも、家族同士お互い思いやって少しでも工夫する事で感染リスクを減らす事は出来ます。その方法についてお話します。
昨日は食事中のみ言及しましたが、その他でも同じ様に気をつけましょう。つまり出来るだけ向き合って座らない事、特に顔を突き合わせて話さない事。横に並ぶことが理想ですが、それが出来なくても対角線に座る事でも良いです。真正面を避けましょう。
子供相手だと無理!という場合もあるかと思います。どうしても距離も近くなるでしょう。その時は可能ならお父さんお母さんはマスクをつけましょう。家庭内でもマスクをつける事は有効です。
また共有部分で特によく触る部分、つまりドアノブや電気のスイッチ、リモコンなどは出来れば触った後は手を洗う、そして一日の終わりにウェットティッシュなどで拭き上げることも非常に有効です。
昨日もお話しましたが、ウイルスは特に滑らかなところに付着、生存しやすいです。70%アルコールを含ませた布巾や次亜塩素酸ナトリウム含有のものがあればベストですが、それがなくても拭くだけでもウイルス量を減らせます。
ちなみに除菌が必要!と、除菌スプレーを噴霧する際は要注意です。まさにエアロゾルを発生させますから。
僕ら医療従事者の感染対策の基本は、「一処置一手洗い」です。実際、感染患者さんとの接触後ですが・・・
ビニールエプロンを脱ぐ→手指消毒→手袋を外す→手指消毒→キャップを外す→手指消毒→ゴーグルを外す→手指消毒→マスクを外す→手指消毒→陰圧区域外へ出る→流水手洗い→手指消毒
大袈裟でも何でもなく、こんな感じです。ちなみに手指消毒はアルコールスプレーで行っています。お陰で手の荒れ方が尋常じゃないのですが・・・
そんなに出来ないよ!と思われるかもしれません。でも手洗いは習慣です。気付けば慣れます。
外出自粛が続けば当然家族が一緒にいる時間は長くなりますし、そうなると家族と濃厚接触する機会は避けられません。でも家族同士で触れ合うのにお互い疑心暗鬼になったり常に感染の恐怖を感じながら過ごす事はよりストレスを溜めることになりますし、家族関係がギクシャクしてしまうかもしれません。
そうならないためにも、手洗いの習慣付けをしましょう。
家庭で出来ることを少しでも行う。後はお互いを思いやる。それが家庭内感染を防ぐための大切なことだと感じます。
明日はマスクについてお話したいと思います。勿論、「アベノマスク」についてもお話できれば。では。
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