「3密を避ける」ということの真の意味

こんにちは、酔いどれ麻酔科医です。突然ですが、

「皆さん、本当に大切なこと、理解されていますか?」

いきなり、挑発的な発言でごめんなさい。

これからお話することは、僕がなぜ情報発信しようと思ったか、その理由の根底にあることです。これを伝えたいがためにブログを始めたと言っても過言ではないので、少し長くなりますが最後まで目を通して頂ければ幸いです。

突然ですが、

「赤信号においては、道路を渡ってはならない」

と言う交通ルールがあります。これは目的でしょうか?違いますよね?交通ルールを守る目的は、

「交通事故を起こさない」

ことです。これが目的で、交通ルールを守ることはあくまで手段です。でも、交通ルールを守る意味をきちんと考えて実行している人が果たしてどのくらいいるでしょう?

実は、同じことがこの「3密を避ける」ということにおいても言えるのです。メディアやネットではしきりと「3密を避けろ」「外出自粛せよ」と言われていますが、その意味についてきちんと報道されていないことに対してずっと気になっていました。

意味、目的が分からず気付けば手段が目的化されてしまうことは本当に怖いことです。
今回のコロナウイルス感染を防ぐための手段と目的について、きちんと説明させていただきます。

コロナウイルスの感染経路として、「接触感染、飛沫感染、エアロゾルによる感染」の3つが挙げられています(コロナウイルスは空気感染しません)。が、実際このエアロゾルというのが厄介で、そもそも日本においては「エアロゾル感染」というものは明確に定義されていませんし、世界的にも統一された定義は存在しないのです。ちなみに空気感染の感染源は飛沫核ですが、その飛沫核とエアロゾルは違うものです。詳しいことに関しては日本呼吸器学会や日本感染症学会などで説明されていますので、ここでは省略します(というか、それを知ってもあまり意味がないと思いますので)。

そして、そのエアロゾル感染をするのかどうかということに関しては、実はハッキリしていないのです。肯定も否定も出来ない「可能性がある」という言い方しか出来ない状態です。

ちょっと長くなりましたが、結局のところメインの感染経路は「接触感染、飛沫感染」ということになります。では「3密を避ける」の3密について、改めて考察します。3密とは「密閉密集密接」のことですが、これをそれぞれ感染リスクと照らし合わせてみます。

密閉空間では換気されないため、その空間にいつまでもエアロゾルが存在してしまう可能性がある。つまり、エアロゾル感染のリスクがあるということです。また、密閉空間では人が密集しやすい→接触感染のリスクを上昇させるということも挙げられます。

人が密集していると、一つはお互い喋っている際の唾による飛沫感染のリスク、そして誰かと接触する可能性も高くなるため、接触感染のリスクも上がります。

そして最後に密接ですが、たとえ密集しておらず、開かれた空間にいようが、誰かとぴったりくっつけば、当然接触感染のリスクとなります。

つまり、3密は全て揃わなくても、即ち「1密」でも感染リスクを発生させるのです。

先日、代々木公園や駒沢公園でピクニックをする家族が多数いたり、江ノ島で路上駐車が大量発生して大渋滞を引き起こした、あるいは最近暖かくなってきて、湘南で海に入ろうとする人達が増えてきたなどのニュースが報じられています。

確かにこれらの場所は密閉空間ではありませんが、人が多く集まる「密集場所」となれば、接触感染や飛沫感染のリスクとなるのです。
ですから、「3密を避けなければならない」のです。

では、「3密を避ける」ことをしっかり守っていれば感染しないのか?
実は、これらを守っていても感染リスクは存在します。日常生活に潜む感染リスクについて、明日お話させて頂こうと思います。

では。

コメント

タイトルとURLをコピーしました